「99のセクハラ町長」が辞任 全国で首長ハラスメント続出の背景に〝文春砲〟?

女性職員にセクハラ行為をした疑惑を受け、辞職の意向を示していた岐阜県岐南町の小島英雄町長(74)が2月29日、町議会議長に辞職願を提出した。小島町長は「ふがいない。迷惑をかけた職員には申し訳なかった」と話した。
小島町長を巡っては2023年5月に「文春オンライン」がセクハラ疑惑を報道。同年7月に町が弁護士3人からなる第三者委員会を設置していた。2月27日に公表された報告書によると就任直後の2020年11月から女性職員のお尻を触ったり、後ろから抱きつくなど99ものセクハラが認定された。第三者委員会から「即時の辞職以外の選択肢はない」と指摘されたほどだった。
小島町長は2月28日の会見で一部行為を認めたが「報告書は中立性に欠けている」と批判。即時の辞職を否定し5月末に辞職するとしていた。ところが会見の3時間後に「心が折れた」「ガッツがなくなった」などと話し、3月5日に辞めると宣言。人騒がせなドタバタ劇を繰り広げた。
小島町長以外にも市長によるパワハラ、セクハラ疑惑が頻発。沖縄県南城市の古謝景春市長(68)は、元専属運転手の女性からセクハラ行為があったとして提訴された。さらに市議会は市役所内における特別委員会を設置し、調査に動き出す考えだ。福岡県でも宮若市の塩川秀敏市長(75)が「女性は3人子供を産んで一人前」と発言するなど職員に対する暴言やハラスメント行為が問題視されている。
市政に詳しいジャーナリストによると「市長は地方行政においては地元の国会議員より権力があります。職員も逆らえなくなり、独裁になりやすい。市民も行政は見えますが、(市役所の)建物の中までは見えない。なので長期独裁政権になることもあります」という。
なぜ市長や町長によるセクハラやパワハラが頻発するのか。「MeToo運動で声を上げやすくなったのが要因として大きい。最近は文春の報道がやり過ぎという声があります。しかし声を上げにくい環境ではタレコミは1つの手段です」(同)。岐南町のケースがまさにそうだった。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする