ビッグモーター前副社長らを書類送検 街路樹伐採の疑い 警視庁

中古車販売大手「ビッグモーター」多摩店(東京都多摩市)前にあった街路樹が伐採された事案を巡り、警視庁捜査1課は4日、ビッグモーターの兼重宏一前副社長や、多摩店の元店長ら計13人を器物損壊容疑で書類送検した。捜査関係者への取材で判明した。兼重氏は全国の店舗を巡回し点検する「環境整備」の責任者だったとされる。
捜査関係者によると、兼重氏や元店長らは2023年ごろ、多摩店の前に植えられた街路樹を伐採し、損壊した疑いなどがもたれている。捜査1課は、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けずに書類送検したとみられる。
ビッグモーターを巡る一連の問題では、多摩店以外に神奈川県や大阪府、福岡県内などの店舗前でも街路樹が枯れるなどしていたことが判明している。
東京都の調査で都内9店舗の周辺で除草剤の成分が検出されるなどしたことを受け、警視庁と神奈川県警は23年9月、当時港区にあった本社や店舗を家宅捜索した。警視庁は3カ月後、兼重氏の自宅なども家宅捜索した。
神奈川県警は24年1月、川崎市の店舗前の街路樹伐採を指示したとして、店舗の環境整備を担当していた本社の男性社員を器物損壊容疑で逮捕。さらに、この店舗の元店長ら2人を同容疑で書類送検した。その後、法人としてのビッグモーターも道路法違反容疑で書類送検していた。
ビッグモーターでは修理の際に故意に車に傷を付け、自動車保険の保険金を不正請求していたことなどが社会問題化。兼重氏は創業者でもある前社長の長男で、不正請求発覚後の23年7月に辞任した。【岩崎歩、菅健吾、木原真希】

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