歌舞伎町ナイジェリア密輸グループ“リーダー”逮捕 ロマンス詐欺の手口使い運ばせたか

警視庁は2024年3月5日、密輸グループのリーダーとみられているナイジェリア国籍のエボ・ジェレマイヤ容疑者(56)を販売目的で覚醒剤を密輸した覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕した。
2022年3月、仲間と共謀しイスラエルから日本へ覚醒剤約5.7キロ(末端価格3億5000万円相当)が入った郵便物を発送し密輸した疑いがもたれている。
密輸された覚醒剤は業務用ラップの隙間に挟まれていて、さらに服で包まれた状態で発送されていた。
警視庁がこれまで東京・新宿区歌舞伎町の薬物組織撲滅のための捜査を続ける中で検挙に至った密輸グループ。どんな組織だったのか――。
エボ容疑者らの密輸グループは、新宿・歌舞伎町のパブなどを拠点に活動。エボ容疑者は2005年に来日して以来、このグループのリーダーとして歌舞伎町で活動していた可能性もあるとみられている。
また、グループメンバーとみられるナイジェリア人が複数人検挙されている。
さらにエボ容疑者は密輸を繰り返していたとみられていて、すでに南アフリカから3.8キロとナイジェリアから6.9キロの違法薬物を密輸していた疑いで2回、自宅で覚醒剤やコカインを大量に所持していた疑いでも逮捕されている。
密輸グループは、海外から日本に輸入した覚醒剤を自分たちが直接受け取らないような仕組みにしていたという。
今回もイスラエルから輸入された覚醒剤は拠点である歌舞伎町ではなく、神奈川県川崎市にある会社事務所に発送されていた。
その手口はロマンス詐欺に類似している。
(1)通信アプリを使い不特定多数の人に「フランスに住むデズモンドです」とメッセージを送り
(2)返信をした日本人女性(30代)と「いずれ日本に住みたい、日本での友達になってほしい」などとやりとりを重ねたという
(3)半年から1年ほど普通のやりとりをしたのち
(4)「日本に行ったら一緒に住もう」などと言い恋愛感情を抱かせ
(5)「洋服を送るから友人に渡してほしい」と実際は覚醒剤が包まれた服が入った郵便物を受け取るように指示したという。
女性は以前にも複数回こうした荷物を受け取っていて、何らかの方法で荷物はエボ容疑者に渡っていたとみられている。
将来は一緒に住むものだと思い込んだ女性の恋愛感情を利用した悪質な手口だ――。
さらに、他にも起業を持ちかけ会社を起こすための荷物などといって受け取って運ばせたケースもあるという。
覚醒剤などを同様のロマンス詐欺の手口で密輸させるケースは、全国で散見されているという。
警視庁は密輸した覚醒剤やコカインなどの販売ルートについてや、この密輸グループの上に海外の犯罪組織が関与している可能性もあるとみて捜査を進めている。

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