愛媛県今治市で1月、ピアノ教師の冨田小雪さん（64）が殺害された事件で、愛媛県警は8日、冨田さんの次女（35）と交際していた無職の榊原正道容疑者（34）＝同県西条市＝を殺人と住居侵入の疑いで再逮捕した。容疑について黙秘しているという。
県警によると、次女は2023年11月、榊原容疑者について「別れてもらえず、困っている」と警察に相談していた。交際を巡るトラブルがあったとされ、県警は事件との関連を慎重に調べている。
再逮捕容疑は1月26日午後4時半～同5時10分ごろ、今治市松本町2にある冨田さんの自宅兼ピアノ教室に忍び込み、冨田さんの首を刃物で切りつけて失血死させたとしている。
今治署によると、榊原容疑者が事件3日前に西条市内で包丁を購入していたことが判明。事件時に着用していたとされる衣服や靴からは血痕を確認した。現場周辺の防犯カメラ映像の分析なども踏まえ、榊原容疑者が殺害に関与した疑いが強まったという。
榊原容疑者は事件翌日、次女の腕を引っ張るなどした暴行の疑いで逮捕された。その後、事件当日にピアノ教室に来ていた男子中学生を殴り、両手足を縛ったとする逮捕致傷容疑で再逮捕されていた。松山地検はいずれの容疑についても刑事処分を保留している。【広瀬晃子】