次期戦闘機を念頭に置いた第三国への装備品の輸出をめぐる自民・公明両党の協議が大詰めを迎えています。安全保障政策の大転換となりますが、政府はなぜ輸出を推進するのでしょうか。
これは、日本・イギリス・イタリアで共同開発する次期戦闘機。AIが組み込まれ、高いステルス性能を発揮します。
政府が2035年までの配備開始を目指す中、自民・公明両党は国際共同開発する防衛装備品の輸出をめぐり協議を続けていますが、これまで公明党は「殺傷能力のある戦闘機の輸出は大きな転換で、国民の理解が必要だ」と慎重な姿勢を見せてきました。
きょうも国会では…。
岸田総理「わが国から第三国への直接移転を行う仕組みが存在しなければ、わが国はイギリス・イタリアが重視している輸出等による価格低減努力を行うことができず、そのようなわが国のために、イギリス・イタリアが要求性能を譲ることは想定されない」
岸田総理はこのように話した上で、“装備品の輸出ができなければ、どのような性能を戦闘機に持たせるのか。共同開発するイギリス、イタリアと交渉する際に不利になる”と理解を求めました。
街の人は…。
30代「よその戦争に加担するのはちょっと。できれば中立でいてほしい」
60代「衆議院を解散してやらないといけないほどのテーマだろうけど、せめてもう少しきちっと議論した方がいいのでは」
最新のJNNの世論調査では、殺傷能力の高い兵器などの海外輸出については「同盟国・友好国に限り認めて良い」が50%と、最も高い結果になっています。
こうした中、公明党の山口代表はきのう、岸田総理から“輸出に際して閣議決定を行う”との考えが示されたことを評価し、公明党は、「歯止め」を設けたうえで輸出を容認することで、あさってにも自民党と合意する方針を固めました。
具体的な「歯止め」策として岸田総理はきょう、▼輸出対象国をアメリカやフィリピンなど防衛装備品・技術移転協定を結ぶ15か国に限定し、戦闘が行われている国は除くほか、▼輸出を次期戦闘機に限るとの考えを明らかにしました。
安全保障政策の大転換となるだけに、今後も国民への丁寧な説明が求められます。