部下への指示をパワハラと認定 消防長を停職の懲戒処分 和歌山

和歌山県北部の1市2町でつくる伊都消防組合消防本部は21日、同本部の最高責任者である大家伸也消防長(60)が消防用設備の立ち入り検査をめぐり、特定の企業を特例的に扱うよう部下に求めるパワーハラスメントを行ったとして、停職3カ月の懲戒処分としたと発表した。大家消防長は同日、依願退職届を出した。
同本部によると昨年6月、当時同組合の管理者だった中阪雅則・和歌山県かつらぎ町長(61)に対し、検査を受けた地元企業の役員が苦情を述べ、中阪氏が大家消防長に伝えた。大家消防長は検査を担当する予防課長らに「特例的な指導や拡大した裁量を用いること」などを指示。反発した同課員の1人が退職届を提出した。
同本部は第三者委員会の報告に基づき、苦情を述べた企業を対象に大家消防長が必要以上の規制緩和を指示したと判断。「優越的な立場を利用し、職員に精神的苦痛を与えた」としてパワハラと認定した。消防の行政指導に影響を与え、組合への信用を失墜させるコンプライアンス違反とした。中阪町長は「現時点でコメントすることはない」としている。

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