知的障害生徒に虚偽病名、編入示唆 「親はサイコパス」発言か 道立高

札幌市内の北海道立高で知的障害のある生徒に関する虚偽の情報を校内で共有していたなどとして、当事者団体3団体が21日、抗議と今後の適切な対応を求める連名の文書を、道教育委員会に提出した。道教委は外部有識者を交えて調査を進めており、2023年度内に中間報告をまとめる予定。
文書提出したのは、障害者を巡る課題解決に取り組むDPI北海道ブロック会議(札幌市)など。提出の契機は札幌市内の道立高定時制課程での不適切な対応で、道教委によると、特別支援担当教員が23年度に入学した知的障害のある生徒について、診断されていない虚偽の病名を資料に記載して校内で情報共有した。さらに、適応行動について調べる検査を保護者の同意なしに実施した。
保護者によると、高校側から「定時制じゃなくてもいいのでは」「本人は学校が合わないと意思表示した」などと特別支援学校への編入を示唆されたり、視力が低いため教室前方の座席へ移動するように求めても応じてもらえなかったりしたことなどもあったという。担当教員が校内で、「親はサイコパス」などと発言した疑いもあり、保護者は「学校をやめさせる方向に持っていこうとしている。悔しい」と訴えている。
3団体は提出した文書で学校側の対応について、人権侵害や差別と非難。生徒が受ける授業やテストでの合理的配慮や正当な評価▽真相解明▽道立高に障害のある生徒が入学した際の保護者らとの建設的な対話――など5項目を要望した。【谷口拓未】

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