野党「処分前の喚問」主張=還流再開を問題視、与党慎重―裏金事件

与野党の幹事長らは24日、NHKの討論番組に出演し、自民党派閥のパーティー収入裏金事件について議論した。野党側は、安倍派会長だった安倍晋三元首相が所属議員へのキックバック(還流)廃止を決めながら、その後復活した経緯が焦点だと強調。関係議員を自民党が処分する前に同派幹部の証人喚問を実現すべきだと主張した。与党は慎重な姿勢を示した。
安倍派では2022年4月に安倍氏の指示で還流廃止を決定したが、同氏の死去後に会長代理だった塩谷立・元総務会長らの協議を経て継続となった。自民執行部は4月第1週にも処分を下す考えだ。
立憲民主党の岡田克也幹事長は、安倍派幹部が衆参両院の政治倫理審査会で行った弁明について「大事な点は説明されていない」と指摘。「(還流を)復活させた人は議員辞職勧告に値する」との認識を示し、「事実を解明して適切な処分を行うべきだ」と語った。
日本維新の会の藤田文武幹事長は「誰が継続させたか知らないというのは考えにくい。喚問に出てきて真実を述べてもらいたい」と要求。共産党の小池晃書記局長は「一部の政治家の処分だけでは解決しない。真相解明には喚問が必要だ」と述べた。
自民党の稲田朋美幹事長代理は「復活の経緯は重要だ」とした上で、「岸田文雄総裁(首相)、茂木敏充幹事長を中心に実態調査を続けていく」と説明。ただ、喚問については「それが全てではなく、あらゆる場で説明責任は果たすべきだ」と述べるにとどめた。
公明党の石井啓一幹事長は「国民が納得する、けじめのある処分を期待したい」と強調したが、喚問は「自民党の判断を待ちたい」と語った。
[時事通信社]

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