令和5年難民申請者、3倍増の1万人に 無関係申請増加か、認定は最多303人

出入国在留管理庁は26日、令和5年の難民認定申請者数が前年から1万51人増えて1万3823人だったと発表した。前年の3倍超にあたる。認定されたのは過去最多ながら303人(前年比101人増)にとどまり、難民とは無関係の申請が急増した可能性がある。
申請者数は平成29年に1万9629人で過去最多を記録。新型コロナウイルス禍の令和2年以降、2千~3千人台に激減していた。国際的な移動制限が全面緩和され、増えた新規入国者の一部が難民認定を申請して申請者数が膨れ上がったとみられる。
複数回申請者は1661人で全体の12%。難民認定申請中は不法滞在中でも在留が認められる制度の乱用が問題視されており、今年6月までに施行される改正入管難民法では申請が原則2回に制限される。
国籍別の申請者数は、スリランカが最多の3778人で前年の7倍超。次いでトルコ2406人(前年の5倍超)▽パキスタン1062人(同4倍超)▽インド934人(同5倍超)▽カンボジア888人(同5割増)-で、上位5カ国で全体の65%を占めた。
難民認定者のうち国籍別ではイスラム原理主義勢力タリバンの首都制圧で情勢不安が続くアフガニスタンが237人で、全体の約8割となった。
一方、申請者数上位5カ国の認定者数は、トルコが3人、スリランカとカンボジアが各1人にとどまり、パキスタンとインドはいなかった。
昨年12月から始まった戦争避難者らを難民に準じて保護する「補完的保護対象者」には今年2月までにウクライナ人ら647人が認定された。

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