紅麹問題で患者8割が1月以降に受診、摂取中止で多くは改善…腎臓学会が中間報告

小林製薬(大阪市)の「 紅麹 」成分入りサプリメントを摂取した人に健康被害が確認された問題で、日本腎臓学会は1日、全国の医師から寄せられた患者47人の症状などを発表した。1月以降の受診が約8割を占め、同社にサプリを摂取した人や医師から腎障害などの情報が寄せられた時期と、ほぼ一致した。摂取を中止すると、多くは改善がみられたという。
同学会は、問題発覚後の3月27日から全国の会員医師を対象に症例のアンケートを行い、今回、中間報告として状況を初めて明らかにした。
約4割の患者が1年以上前から摂取していたが、数か月程度の人もいた。最初に患者が受診したのは昨年11月で、今年1月以降に急増していた。
患者の半数以上は 倦怠 感や食欲不振、尿の異常などを訴えて受診していた。年代は30~70歳代で、40~60歳代が9割を占めた。中でも50歳代が21人と最も多く、60歳代13人、40歳代8人と続いた。女性が31人と多く、地域の偏りはみられなかった。死亡例はなかった。
また、47人のうち34人で腎臓の組織検査が行われ、血液から 濾 し出されたミネラルなどを再吸収する「尿細管」と呼ばれる部位の 壊死 や、急性障害、尿細管の周囲で炎症が起きる間質性腎炎などのダメージを受けていた。
人工透析を受けた患者は2人いたが、うち1人は透析が不要になっている。4分の3の患者では、摂取を中止すると症状の改善がみられたという。
46人は、これまで被害が明らかになっているサプリ「紅麹コレステヘルプ」を摂取。残る1人は一部地域で販売された「ナイシヘルプ+コレステロール」を摂取していたという。同社によると、この商品に関する患者の報告は初めて。
同学会の副理事長を務める大阪大の猪阪善隆教授(腎臓内科)は「日常診療に役立てるため中間報告を急いだ。厚生労働省と連携し、注意喚起をしていきたい」と話した。

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