福島第一原発で処理水放出が6時間半停止、掘削作業中のケーブル損傷が原因か

東京電力は24日、福島第一原子力発電所の一部で停電が発生し、処理水の海洋放出が約6時間半停止したと発表した。電源設備周辺で行われていた掘削作業中に誤ってケーブルを損傷したことが原因とみられる。東電は「周辺海域への影響はない」と説明している。
東電によると、24日午前10時43分頃、所内の設備に電気を送る電源系統の一つが停止し、一部設備で非常用発電機が自動起動した。1~3号機の原子炉への注水は継続されたが、19日から実施している処理水放出の設備が自動停止した。
東電は24日午後4時過ぎ、全ての電源を復旧させ、同5時16分に処理水放出を再開した。
停電発生と同じ頃、電源設備近くでケーブル関連の掘削作業をしていた協力企業の50歳代の男性がやけどを負い、救急搬送された。
処理水放出の停止は3月15日の地震以来2回目だが、原発施設のトラブルが原因となったのは初めて。この日は、国際原子力機関(IAEA)の調査団が現地視察をしていた。
同原発では昨年10月と今年2月、協力企業の作業員に放射性物質を含む水がかかったり、屋外に漏れたりするトラブルが起きた。原子力規制委員会は、昨年10月のトラブルについて廃炉の実施計画違反を認め、「(東電は)現場環境の確認を十分に行わず、安全対策の確保への認識が不足していた」と指摘した。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする