昨年1月に大阪湾に迷い込んだクジラの死骸処理費が大阪市の試算の2倍以上の約8000万円に膨らんだ問題で、市監査委員は26日、「8000万円という金額ありきで委託業者との交渉が進められたと強く疑念を抱かざるを得ない」などとして、第三者機関などで契約の詳細を調査するよう横山英幸市長に勧告した。
「淀ちゃん」と呼ばれたクジラは昨年1月13日、淀川河口付近で死んでいるのが確認された。市大阪港湾局は、市内の海運会社に死骸の海洋投棄を依頼。同社は6日後、死骸を積み込んだ土砂運搬船を別の船で引っ張り、紀伊水道沖に投下した。処理費について、同局は同年3月初めに3774万円と試算したが、同社との交渉を経て8063万円に引き上げ、それに近い8019万円を支払った。
市監査委員は、今年2月に市民グループからの住民監査請求を受けて経緯を調査していた。