〈〈那須2遺体〉手の甲に「K」のタトゥーを入れた、逮捕された元人気子役。「犯罪にまけてはならぬぞ」と警察防犯キャンペーンにも参加。中学卒業後に母親と岐阜から上京するも事務所を”退所”した理由〉から続く
栃木県那須町で都内の50代の夫婦の他殺体が火をつけられて捨てられていた事件で、同県警と警視庁の合同捜査本部は2日までに、死体損壊容疑で逮捕・送検した建設業、平山綾拳容疑者(25)の関係先から現金約1千万円を押収した。捜査本部は同容疑に関わったとして指示役の佐々木光容疑者(28)と実行役の2容疑者を逮捕しており、平山容疑者は「仲介役」として佐々木容疑者から「実行役2人の分と合わせて1千万円以上千を報酬として受け取った」と供述。さらに佐々木容疑者も逃亡先の沖縄県内で身柄確保された際に現金数百万円を所持しており、捜査本部はこれらの資金源について両容疑者を厳しく追及している。
〈画像多数〉平山容疑者の「カエルとダルマ」の和彫りの刺青写真、と手の甲にマークと「K」のタトゥーを入れた若山容疑者
「俺はやらないし、断った」と話していたのに…
調べに対し佐々木容疑者は「遺体の処理を4月の初めにある人物に依頼された」と供述。その「依頼」を知人の平山容疑者に卸し、平山容疑者が「飲み仲間」の若山耀人容疑者(20)と姜光紀容疑者(20)を実行役に引っ張り込んだ。4人に共通するのは、いずれも東京・渋谷のクラブ「Z」に出入りし、SNSで連絡を取り合っていたことだ。
平山容疑者は実行役の2人についても「キラト」「カン」という呼び名以外に詳しい身上は知らない、希薄な関係だったようだ。同じクラブで平山容疑者と出会ったという友人はこう証言する。「なんであんなことしちゃったんでしょうね…。僕、リョウケンとは仲よかったですよ。最初に出会ったのは去年の夏、渋谷の『Z』でした。彼はいつもVIP席に座っていて、酒を飲んでタバコ吸いながらたわいのないことを話す、そんな感じでした。『Z』の客は年齢層も若くて、女の子は18歳からいるし、男はヤカラ系の刺青をがっつりいれて、埼玉や栃木、茨城から遠征にきてオラつくような、そんな人ばかりですね。そんななかでもリョウケンはそういうこと感じではなく、落ち着いていてみんなのアニキ分って感じでした。30日と1日に捕まった3人は見たことがないので、少なくとも古くからのつきあいではないと思います」実際、平山容疑者も調べに対し、実行役の2人とは「クラブ『Z』で知り合って、以降は何回か別の場所で飲んだ」と供述しており、それほど親しい関係ではなかったようだ。知人が続ける。
「リョウケンが親しかったのは『Z』のマスターとか、インスタによく写っている同世代の子かな。彼女はいなかったと思います。将来の夢とかを聞いたことありますが『起業したい』って言ってたのを覚えてますね。マッサージだか整体師の資格を持ってるらしくて、そっち関係の会社をいずれは自分でやりたかったようです。あと『早く結婚したい』とも言ってました。現場仕事を一生懸命してたから、お弁当とかをつくってくれる奥さんがほしかったのかもしれませんね。サッカーが趣味だということも聞いてました。どこかの社会人チームにも入ってたんじゃないかな。僕のなかではスジが通った人という印象でした。これまでも半グレみたいな人たちにいろいろ誘われることもあったけど『俺はやらないし、断った』とも言っていましたし」
Zに出入りする彼の周りの人がみんな刺青を入れていた
♯8で証言してくれた高校時代の同級生も「リョウケンは母子家庭で育ち、優しいお母さんに似て本人も優しい性格だった」と振り返っていた。それはクラブで出会った別の友人も感じていたという。「お母さんのことをすごく大事にしていて、温泉旅行とかにも連れて行ったと話していました。自分は刺青だらけで温泉には入れないのにね。その刺青も周囲に見せびらかすようなことはなく、覗き込もうとすると『やめろよー』って照れながら隠していた。『Z』に出入りする彼の周りの人がみんな刺青を入れていたので、影響されたのかもしれませんね。気前もよくて、女友達とで飲むときには『こういうときは男が払うもんだから』と女性に払わせないし、歌も超うまかった。何度か彼のあの“プリウス”に乗ったことがあるんですけど、車のなかでコブクロの『赤い糸』を歌ってました。あとは好きだったのはHIPHOPとかですかね」
友人から見た平山容疑者は少年のようで、スマブラ(対戦型アクションゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズが大好きだったという。「いきつけの店は『Z』くらいだし、そこ以外の友達とも会ったことあるけど、みんなフツーの人でしたね。今回の事件では結構な金額の報酬があったように報道されているので、お金への欲は人並み以上にあったのかもしれません。ただ、私が最後に連絡を取ったのは今年の2月くらいでしたけど、それまでは金がないとかそういう雰囲気は一切ださなかったので、事件についてはただただ驚いています」クラブで知り合った程度の飲み仲間とSNSで繋がった若者同士が、降って湧いたような大金に舞い上がったのか。いずれにしても取り返しのつかない凶悪な犯行に自ら飛び込んでいった平山容疑者に同情の余地はない。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班