福岡県大牟田市の国立病院機構「大牟田病院」で、障害がある入院患者が介護職員や看護師から性的な虐待行為を繰り返し受けていた問題。病院は2日午後4時から会見を開き、経緯を説明しました。
◆男性介護職員と看護師 計5人が関与
川崎雅之院長「当院職員による利用者様への虐待事案が発生したこと。利用者やご家族に不安やご心配をおかけしまして誠に申し訳ございません」
病院によりますと、虐待に関与したのは介護職員3人と看護師2人、いずれも男性職員です。去年12月、入院患者の1人から「介護士の男性に下半身を触られた」と訴えがあり発覚しました。
病院からの通報を受け自治体が調査した結果、虐待を受けた疑いがあった入院患者11人のうち6人については性的な虐待を受けていたことが認定されました。1人は虐待の認定はされず、残る4人について現在も調査が進められています。
被害者の中には重度の障害によって自分では動けず、言葉を発することができない患者もいたということです。
◆就寝時に陰部を直接もむ 女性患者の胸をつかむ
虐待と認定された行為については、
①就寝時に陰部を直接もむ ②入浴介助の際に複数の職員が利用者の陰部を素手で洗い過剰な刺激を与え、わいせつな声かけ ③コミュニケーションを取る際に脇をくすぐり、女性患者の胸付近を触る ④介助の際に女性患者の胸をつかんだり、陰部を長時間観察する
また他にも、障害者福祉施設としての倫理観が欠如しているなどの指摘を受けたということです。虐待が認定された職員2人は退職していますが、残り3人は患者に接触しない形で勤務を続けています。 なぜこのような行為を行ったのかという質問に対し、病院側は「通常の医療行為の一環として捉えていた可能性があり、『問題ない』と考えていたケースが多い」と説明しています。また今回の行為を見ていた職員は他に複数いたものの「虐待だと認識していなかった」「上司などに言いづらかった」と話しているということです。
病院側は管理態勢の不備を認め、再発防止策として全ての職員に研修を実施するとしています。今回の問題について病院は、外部の専門家でつくる第三者委員会を設置して調査を続けています。