4日福岡県北九州市で見つかった頭が2つあるヘビの死骸は、全国に広く生息するニホンマムシであることが分かりました。保管している博物館によると生後6か月~7か月の子供とみられるということです。
見つかったのは「奇跡に近い」
北九州市立いのちの旅博物館学芸員・江頭幸士郎さん「こちらが今回見つかった頭が2つあるマムシです」
今月4日、北九州市八幡西区で見つかった頭が2つあるヘビ。キャンプをするために山道を上がっていた人が死骸を発見し、翌日、いのちのたび博物館に寄贈していました。
学芸員によると見つかったのは「ニホンマムシ」で体長は19センチほど、まだ生まれて6か月~7か月ほどとみられる幼体のため性別は不明だということです。
北九州市立いのちの旅博物館学芸員・江頭幸士郎さん「発見された市民の方からお電話がありまして、こういったヘビを見つけたんだけど、どうしたらいいかというご相談をいただきました。博物館で是非頂戴しますとお返事したところ、翌日持ち込んでくださって、博物館の方で標本にしています」
現在は、学芸員など関係者しか入ることのできない解剖室で腐敗を防ぐために薬剤に漬けて保管しています。ビンの中で一緒に保管されているのは、研究目的で収集したアフリカモリガエルの仲間やタゴガエルなど。標本が完成したら収蔵室に移されます。まだ体内の構造などは明らかになっていないということです。
北九州市立いのちのたび博物館学芸員・江頭幸士郎さん「驚きましたね、なかなかないことですので、特に野外で死んでいたとしてもすぐにカラスとか獣が食べに来てしまったりして、見つからないことが多いんですけど。かなり奇跡に近い確率だと思います。」
なぜ頭がふたつ?
なぜ頭がふたつある蛇がうまれたのでしょうか。
北九州市立いのちのたび博物館学芸員・江頭幸士郎さん「よく言われるのは、お母さんのおなかの中では本当は2匹分の蛇になる予定だったのが、細胞が分化しきれずにくっついた状態で発生が進んでしまって頭だけ2匹分になって出てきたと説明されることが多いかと思います」
いのちのたび博物館では2006年にも山口県岩国市で見つかった2つの頭部をもつシマヘビ(体長約35センチ・性別不明)が寄贈されていて、今回で2例目だということです。
夏ごろに一般公開する予定
今回見つかったニホンマムシについては、夏ごろをめどに館内での展示を目指し、一般公開するということです。