群馬3人死亡、トラックは事故直前90キロで走行か…運送会社社長「わだちにハンドル取られ戻れなかったのでは」

群馬県伊勢崎市境上矢島の国道17号(上武道路)でトラック1台と乗用車2台が衝突し、3人が死亡した事故で、トラックは事故直前に時速90キロほどの速さで走行していたとみられることが8日、トラックを所有する前橋市の運送会社への取材でわかった。社長(48)は「謝っても謝りきれない。取り返しがつかないことをしてしまった」と話した。
事故は6日午後4時15分頃、見通しの良い片側2車線の直線区間で発生。吉岡町の男性(69)のトラックが対向車線にはみ出し、乗用車2台と衝突したとみられる。この事故で、前橋市樋越町、会社員塚越寛人さん(26)、息子の湊斗ちゃん(2)、湊斗ちゃんの祖父で渋川市赤城町宮田、会社員の正宏さん(53)が亡くなった。別の乗用車の太田市の女性(52)も軽傷を負った。
社長によると、トラックの運行記録計(タコグラフ)やドライブレコーダーの映像から、トラックは事故直前、時速90キロほどで走行し、「急旋回」の状態になったとみられるという。社長は「わだちにハンドルを取られ、戻そうとしたがスピードを出しすぎていたので戻れなかったのではないか」と話した。ドライブレコーダーには、3人が乗っていた乗用車が対向車線をはみ出したトラックを避けようと、ハンドルを切る様子も映っていた。
運転手の男性は、トラック運転歴30年以上のベテラン。約10年前から同社で働き、遅刻や欠勤はなかった。
事故当日、男性は通常通り午後3時頃に出社。冷凍食品を積んで、埼玉県川口市に向かっていた。当日の飲酒検査で問題はなく、体調も良好だったという。
同社は今後、安全な運行を確認する専門部署の新設を検討する。社長は「安全を最優先に、会社全体で事故防止に努める」と話した。

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