共同・NHKの世論調査で微増、岸田内閣支持率「下げ止まり」か 政治とカネの問題や経済政策には厳しい視線

共同通信とNHKが13日、最新の世論調査を公表した。岸田文雄内閣の支持率は、共同調査で24・2%、NHK調査でも24%と、いずれも微増した。直近の各調査では、内閣支持率に下げ止まりの傾向があるようだが、政策への評価は厳しく、自民党の支持率も下がっている。岸田首相はこれをどう判断するのか。
共同調査では、支持理由に「外交に期待できる」をあげた人が前回比7・7ポイント増の15・8%と目立った。岸田首相の訪米などを評価したともとれるが、不支持理由では「首相が信頼できない」(19・1%)との回答も多く厳しい国民世論に変化はないようだ。
政権浮揚や政治の信頼回復へ、岸田首相が〝肝〟に掲げる政策への評価も厳しい。
派閥裏金事件を受けた政治資金規正法の与党改正案は79・7%が「評価しない」だった。岸田首相は今年中に物価上昇を上回る所得を実現させるとしたが、90・5%が「実現しない」とみている。
NHK調査でも、岸田首相への世論の〝採点〟は辛い。
政治資金規正法の与党改正案は77%が「評価しない」とし、74%が岸田首相が指導力を「発揮していない」と回答している。
また、8割が景気が良くなっている実感が「ない」とし、来月実施の定額減税をめぐっても、62%が「物価上昇を上回る所得の実現に期待しない」と答えた。
この結果をどう見るのか。
野党幹部は「圧倒的な『不支持』は変わっていない。政治とカネの問題など不祥事を繰り返し、大炎上する政権に反省はない。自民党も評価を落としている」と分析する。
確かに、共同調査の政党支持率では、自民党が前回比0・4ポイント減の24・7%で、立憲民主党が同比1・8ポイント増の12・7%。「次期衆院選の比例区投票先」でも、自民党の20・9%に対し、立憲民主党が15・4%と肉薄している。
自民党ベテラン議員は「有権者の声などを聞くと、自民党の『古い体質』への批判はいよいよ深刻だ。岸田政権も反省が『独りよがり』で、危機管理も任せられないとの声は多い。実際の支持率は『壊滅的』な状況だ。一時的な支持率上昇で解散・総選挙に打って出たら、打撃は避けられない」と懸念している。
報道各社の世論調査 内閣支持率(前回比) 不支持率(同) 自民党支持率(同) NHK
(10~12日実施) 24%
(1ポイント増) 55%
(3ポイント減) 27.5%
(0.9ポイント減) 共同通信
(11~13日実施) 24.2%
(0.4ポイント増) 62.6%
(0.5ポイント減) 24.7%
(0.4ポイント減)

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