つばさの党 小池都知事と都知事選で全面対決ヘ…ガサ入れは「圧力による捜査だと思っている」

警視庁が13日、先月28日投開票の衆院東京15区補選で他陣営を妨害した公職選挙法違反(自由妨害)の容疑で、政治団体「つばさの党」の本部や関係先を家宅捜索した。黒川敦彦代表は動じる様子はない。都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)で小池百合子都知事と黒川代表の全面対決の様相を呈してきた。
この日午前、機動隊員とともに捜査2課が党本部や黒川氏の自宅など3か所の捜索に入り、スマホやパソコン、メガホンや太鼓、収支報告書などを押収した。黒川氏は「言論と言論がぶつかっているだけ。暴力行為は働いていない」と捜査を受ける筋合いはないと主張した。
15区補選で、つばさの党は幹事長の根本良輔氏が立候補し、黒川氏らは乙武洋匡氏や立憲、維新、参政党、日本保守党の候補者に「へいへいへい~。質問があります」とのスタイルで凸を繰り返した。メガホンや街宣車の使用は「こちらも立候補者だから、選挙活動をしていて問題はない」(黒川氏)と主張したが、警察は自由妨害罪に当たる可能性があるとして、選挙3日目に口頭で警告を発していた。
乙武氏を支援した小池氏は会見で「これまでに経験したことがない選挙妨害が発生している。法律を見直していただけないだろうか。私の自宅まで来て、選挙活動の一環だとすれば、その範囲を逸脱している。非常に憤りも感じるところ」と黒川氏らを批判し、他陣営も被害届を出すなどしていた。
選挙中の妨害を巡っては、首相時代の安倍晋三氏が北海道で街頭演説した際にヤジを飛ばした男女が警察に移動を命じられた排除事件で、物議を醸した。
「『表現の自由』か『選挙妨害』なのかの線引きは難しく、警視庁は15区補選でのつばさの扱いにも苦慮していたが、異例ともいえるガサに踏み切った。今後、黒川氏らの逮捕や在宅起訴を念頭に置いていることは間違いないが、権力の乱用との批判の声も出てくるでしょう」(永田町関係者)
家宅捜索後も黒川氏は全く意に介すことはなく、小池氏の自宅前で抗議の街宣デモを行った。
「小池百合子の圧力による捜査だと思っている。小池が『やれ』といわなければ警視庁もやらない。都知事選では小池を追いかけまわします」と小池氏の学歴詐称疑惑の徹底追及を宣言。「逮捕は選挙妨害ととらえ方もされかねないので、立件もない」とも話した。
都知事選が1か月後に迫る中、警察がどのような対応に出るかが注目される。

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