栃木、群馬、長野3県警の合同捜査班は16日、栃木県内で発生した強盗事件の被害者名義のキャッシュカードで現金を引き出そうとしたとして、窃盗未遂の疑いでベトナム国籍の男2人を逮捕した。合同捜査班では、3県と福島県で相次いだ強盗事件への関連を捜査するとみられるが、今回の事件で共通しているのは、都市部ではなく過疎地での家屋が狙われている点だ。警備会社の関係者は「まずは家に入れさせないようにするのが(防犯対策の)基本」と注意を呼びかけている。
セコムIS研究所リスクマネジメントグループで研究員を務める濱田宏彰さんは、今回の事件について「人目につかない家屋が狙われたとみられるが、(過疎地では)就寝中でも玄関を無施錠にしているケースは多い」と指摘する。
家屋が密集している都市部に比べ、過疎地は家屋と家屋の距離が離れている場合や、高齢者が一人暮らしをしているケースも多い。濱田さんは「通常のクレセント錠(半円形をした金具のついた鍵)に加え、補助錠を付けるのも有効」とアドバイスする。また、外出時には家屋の中が無人だと察知されないよう、カーテンやレースを閉めることも大切だという。
5月14日に福島県南会津町の家屋で発生した強盗事件を巡っては、就寝中だった女性が犯人に手首を縛られ、現金1万数千円を奪われた。たとえ在宅であっても、犯人と遭遇するケースも想定される。濱田さんは「可能であれば、逃げ込める部屋を事前に決めておくこと。内開きで、鍵をかけられる部屋であれば(外部に)通報することもできる」としている。(浅野英介)