文化審議会は17日、東京拘置所内にある旧小菅刑務所庁舎(東京都葛飾区)や「こんぴらさん」の呼び名で親しまれている 金刀比羅宮 (香川県琴平町)など新たに8件の建造物を重要文化財に指定するよう、文部科学相に答申した。新潟県佐渡市小木町、長野県須坂市須坂の2地区を重要伝統的建造物群保存地区として選定することも求めた。
旧小菅刑務所庁舎は1929年に完成し、翼を広げた鳥を思わせる外観など斬新な造形が特徴だ。大正末から昭和初期に流行し、自由な造形を目指した表現主義の建築として価値が高い。
金刀比羅宮は明治の神仏分離令を受け、神仏習合の寺院から分かれて整備された。本宮など12棟を指定対象とする。社殿は仏教色が排され、壁面や天井に施された木地 蒔絵 など独特の意匠をもつ。
その他の新規指定答申は以下の通り。
【重要文化財】▽旧岩淵水門(東京都北区)▽園城寺(大津市)▽對龍(たいりゅう)山荘(京都市)▽齋(いつき)神社本殿(京都府綾部市)▽郭家(かくけ)住宅(和歌山市)▽旧大浜埼(おおはまさき)通航潮流信号所施設(広島県尾道市)