大阪府議会の副議長に第三会派の自民府議が選ばれました。背景にあるものとは? 5月20日に開かれた大阪府議会の本会議。府議会では2016年以降、所属議員が最も多い第一会派から「議長」が、次に議員の多い第二会派から「副議長」が選ばれていて、このままなら公明から副議長が選ばれるはずでした。しかし、選ばれたのは3番目に議員の多い自民の府議でした。 (中谷恭典議長)「副議長に中井源樹議員を指名いたします。ご異議ありませんか」 (議会)「異議なし」 【大阪府議会の会派構成 5月1日時点】 ▼維新52人▼公明14人▼自民7人▼民主ネット2人▼共産1人▼諸派・無所属2人 公明は副議長候補を出さなかったのです。それはなぜか。衆院選の候補者擁立などで対立が続く維新と公明。こうした中、建設費の上振れや工事現場でのガス爆発事故などを受けて、公明は『万博』への追及姿勢を強めています。 【府議会万博特別委 去年12月】 (公明 藤村昌隆府議)「引き続き議論をさせていただくことが万博成功に向けた一番の近道である」 (維新 紀田馨府議)「まさかと思いますけど万博反対にさせてるわけじゃないですよね?」 (公明 藤村昌隆府議)「いろいろと私たちは私たちの主張がある」 維新内部では、公明が万博の特別委員会の討論に消極的であることなどについて疑問視する見方もあり、「副議長をやらせてよいのか」という声があがっていたということです。そして今年5月上旬には、維新が公明に対して、副議長ポストに“待った”をかけるやり取りがあったといいます。 【今年5月上旬のやり取り】 (維新幹部)「公明さんは万博に対して厳しいことを言っている。今後もそういう感じなんですか?」 (公明幹部)「これからも言うべきことは言いますよ」 (維新幹部)「こっちも考えないといけませんね」 (公明党大阪府議団 肥後洋一朗幹事長)「(維新の中で)そういう声があるというのが伝えられましたので、ちょっとびっくりはしています。ポストに固執していることではありませんので、そこはもうそこまでして(副議長のポストを)取ろうとは思っていなかったというのは事実です」 一方、維新は? (大阪維新の会府議団 河崎大樹幹事長)「(地元議会を代表する)議長・副議長というのは、しっかりと足並みをそろえてという思いがありましたので。(公明党とは)ちょっとベクトルが違うのかなと」 万博をめぐる駆け引きがにわかに表面化しつつあります。