指定暴力団の山口組(神戸市)と 絆會 (大阪市)の抗争が激化しているとして、大阪や兵庫など6府県の公安委員会が来週にも、両団体を特定抗争指定暴力団に指定する手続きを開始することがわかった。各公安委の意見聴取を経て早ければ6月中に指定され、団体の活動が大幅に制限される。
暴力団対策法に基づく措置で、指定されれば4例目。2022年1月に水戸市で山口組系組幹部が拳銃で撃たれて死亡し、今月21日に絆會幹部が殺人罪などで起訴されたほか、22年5月には三重県伊賀市で絆會系組員が山口組系組員に銃撃される事件が起きた。警察庁によると、17年以降、両団体が絡む事件は10件確認され、30人が摘発されている。
捜査関係者によると、指定を検討しているのは、大阪、兵庫、茨城、三重、愛知、滋賀の6府県。指定されると、公安委が定めた警戒区域内で、事務所への立ち入りや組員5人以上で集まることなどが禁止され、違反時には逮捕される。
絆會は、山口組から分裂した指定暴力団・神戸山口組から脱退した組員らで17年に結成された。