大津市仰木の里東6の民家で26日、住人の男性が血を流して亡くなっているのが見つかった。上半身に刃物のようなもので付けられた10カ所以上の傷が確認された。滋賀県警は遺体の状況などから何者かに殺害されたと断定し、殺人事件として捜査を始めた。
男性はレストラン経営の新庄博志さん（60）。県警捜査1課は27日、遺体を司法解剖した結果、死因は出血性ショックだったと発表した。抵抗した際にできる防御創が残っており、24日夜ごろに殺害された可能性が高いという。
県警によると、新庄さんは2階建て民家の1階リビングの床にうつぶせで倒れていた。カッターシャツにズボン姿で、素足でスリッパを履いていた。室内を物色された形跡はなく、凶器は見つかっていない。
新庄さんはこの家で1人暮らし。妻と息子がいるが、それぞれ別の場所に居住しているという。親族の女性が新庄さんと連絡が取れなくなったことを不審に思い、26日午後4時ごろに民家を訪問。遺体を見つけて119番した。救急隊が駆け付けた時、玄関は無施錠だったという。
現場はJR湖西線おごと温泉駅の北約1・5キロの住宅街。新庄さんは保護司も務めているという。経営する大津市内のレストランの男性店長は取材に「新庄さんが最後に店に来たのは24日の夕方で、いつもと変わらない様子だった。非常に温厚な人で、怒ったところは見たことがない」と話した。【菊池真由】