2025年大阪・関西万博に大阪府内の小中高校生を学校単位で無料招待する事業を巡り、大阪府の教職員組合3団体は5日、事業の中止を求める申し入れを行った。3月に万博会場の工事現場で発生した爆発事故への対応が不十分だとして「安全だと誰も言わない万博に子供を連れていくことはできない」と訴えた。
万博への無料招待について府は、府内在住の4歳から高校生を対象とする意向で、学校単位での校外学習などでの来場を想定している。
今回申し入れを行ったのは、大阪教職員組合府立高等学校教職員組合府立障害児学校教職員組合-の3団体。会場予定地の「夢洲1区」で起きた可燃性ガスへの引火による爆発事故の対応を問題視している。
3団体は4月にも府と府教育長に対し、「責任ある対応を求める」として申し入れを行ったが、文書による回答は「情報提供する」といった程度にとどまり、爆発事故についても「万博の公式ウェブサイトに触れるのみ」だったという。
大阪教職員組合の米山幸治書記長は「ほぼゼロ回答と受け止めざるを得ない」としたうえで、「招待事業をやる以上、万博協会任せにせず、府が責任をもって安全性を確認し対応してほしい」と訴えた。
府教育庁が5月末までに行った各学校への意向調査では、来場希望は7割だったが、「希望しない」「不参加」の選択肢がないとして調査手法への批判も上がっている。米山氏は「積極的に参加を希望する学校が果たしてどれだけあるのか」と疑問を呈した。