大阪府枚方市中宮東之町のマンション一室で、住人の大学生、渡辺華蓮(かれん)さん(19)が殺害された事件で、逮捕された交際相手の西光勝容疑者(26)が事件の約1カ月前に凶器の包丁を量販店で購入していたことが7日、捜査関係者への取材で分かった。大阪府警は計画的な犯行の可能性もあるとみて、動機を詳しく調べている。大阪地検は同日、殺人罪で西光容疑者を起訴した。
府警によると、西光被告は5月18日午後、大阪市内のホテルで駆け付けた警察官に「人を殺した」と説明。渡辺さんが自宅マンションで死亡しているのが見つかり、同日、殺人容疑で逮捕された。
捜査関係者によると、西光被告は渡辺さんを殺害後、部屋からノートパソコンを持ち出し、枚方市内の買い取り店で売却、ホテルの滞在費に充てていた。調べに対し当初「同意があって殺した。後悔したのでホテルで睡眠薬を飲んで自殺しようと思った」という趣旨の供述をしたというが、現在は明確な理由は話していないという。
遺体には約50カ所の刺し傷などがあり、抵抗した際にできる防御創も含まれていたことから、大阪府警は「同意があった」とする西光被告の説明には不自然な点があるとみて慎重に捜査している。
また、西光被告には数百万円の借金があったが、渡辺さんに伝えず、「大手企業」に勤めているとをついていたことも判明。渡辺さんが勤めていた飲食店に多額の「ツケ」があり、事件当日はツケの返済日だったという。
起訴状などによると、西光被告は5月16日、大阪府枚方市の渡辺さんの自宅で、渡辺さんの首や胸などを刃物で複数回突き刺すなどし、失血死させたとしている。