百条委員会設置議案に「辞職するので取り下げてほしい」…副知事が自民県議に

兵庫県の斎藤元彦知事らに対する「告発文」を巡る一連の問題で、県議会(定数86)最大会派の自民党(36人)は10日、調査権限の強い調査特別委員会(百条委員会)の設置議案について、ひょうご県民連合(9人)と共同で、開会中の6月定例会に提出する方針を決めた。
問題を巡っては、斎藤知事は県議会各会派の申し入れを受けて第三者機関の設置を決め、県代表監査委員が設置の事務手続きを進めている。一方、自民や県民連合は、実効性に疑問があるなどとして、百条委での調査が必要と判断。自民はこの日の総会で、一部議員の反対はあったものの、議会最終日の13日に議案を共同提出することや、会派拘束をかけることを決めた。
地方自治法100条に基づいて設置される百条委は、関係者の出頭や証言を命じる強い権限を持ち、虚偽証言などには禁錮や罰金が科される。設置には議長を除く過半数の賛成が必要で、自民、県民連合のほか、共産(2人)や無所属議員数人も賛成する考えを示している。一方、維新(21人)、公明(13人)の2会派は、「第三者機関の調査結果を待つべきだ」として反対の方針だ。
県議会の自民党会派などが百条委員会の設置議案を提出する方針なのに対し、片山安孝副知事が、自民県議に「辞職するので百条委の設置議案を取り下げてほしい」と伝えていたことがわかった。10日の6月定例会一般質問で、伊藤傑県議(自民)が質問した。
質問などによると、代表質問で自民が百条委設置を提案する方針を表明した7日、片山副知事は議会運営委員会の藤本百男委員長(自民)を訪ね、百条委設置をやめるように求めた。藤本委員長はその場で断ったという。伊藤県議から「それが副知事の仕事か」と問われた片山副知事は「百条委設置は議会で判断されるもの。一定の考え方を述べただけだ」と弁明した。
本会議終了後、片山副知事は報道陣に対し、「議会への介入や圧力をかけたという認識はない。今は任期を務めあげたいと思っている」と述べた。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする