復縁迫った被告「包丁で脅せば戻れると」 鶴見女子大生殺害…父親が証言「許可取らないと怒られていた」

横浜市のマンションで18歳の女子大学生が殺害された事件の裁判で、女子大学生の父親が証人として出廷し、「どこに行くにも被告の男の許可を取らないと怒られていた」などと証言しました。
「優しくて思いやりのある子どもでした」
12日、証人として法廷でこう証言したのは、去年6月、横浜市鶴見区のマンションで元交際相手に殺害されたとされる大学1年生で、当時18歳の冨永紗菜さんの父親です。
仕切りで囲われた証言台で涙ながらに語ったのは、紗菜さんの元交際相手で殺人の罪などに問われている伊藤龍稀被告(23)と紗菜さんとの関係についてでした。
紗菜さんの父親
「どこにいくにも被告の許可を取らないと(娘は)怒られていた。私と食事に行くときも事前に確認を取っていた」
過去、複数回にわたり、伊藤被告に暴力をふるわれていたという紗菜さん。事件の1週間前も…
紗菜さんの父親
「被告に腹を蹴られて、腕つかまれて、携帯壊されて、車から逃げてきたと聞いた」
父親は警察からの連絡をうけ、迎えにいったといいます。このとき、紗菜さんは…
紗菜さんの父親
「もう完全に別れたいと言っていた。どうしたらいいか分からなかったようで、親に助けを…求めていたと思います」
一方で「『捕まっちゃったらかわいそうだから、警察に連絡しないで』と(娘から言われた)」と伊藤被告をかばう発言もあったといいます。
また、紗菜さんの両親は別れさせるため、2人の間に入っていたことも明らかに。今の思いを聞かれると…
紗菜さんの父親
「家族で食事に行くときに4名が3名になってしまったし、家族の悲しみは計り知れない」
そして、午後に行われた被告人質問。10日の初公判では涙を流す場面もあった伊藤被告でしたが、12日は膝に両手をおき、落ち着いた様子で証言台へ。
伊藤被告は交際当時について…
伊藤龍稀被告
「付き合って1か月でお互いを束縛するようになりました」
別れた後も復縁を迫っていたという伊藤被告は、事件当日の行動について…
伊藤龍稀被告
「もう一度話したい、普通にしたら無理、包丁で脅せば(元の関係に)戻れると思いました」
そして…
伊藤龍稀被告
「紗菜さんは友だちいるのに自分はいなかったり、紗菜さんがいなくなったら何も残らないなと」
“ヨリを戻したい”気持ちが殺意に変わったという伊藤被告。そして、紗菜さんの命は突然奪われました。
伊藤龍稀被告
「紗菜ちゃんごめんねと伝えて、殺意をもって刺しました。何万回謝っても許してもらえるとは思っていないが、今の自分には謝ることしかできない」
判決は、今月21日に言い渡される予定です。
(6月12日放送『news zero』より)

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