沖縄で「天然記念物のヤドカリ」が大量に密漁される理由。昨年6月には682匹を捕獲した中国籍の夫婦が逮捕

伊勢海老にアワビ、天然記念物のヤドカリまで――。今、日本各地の海では、中国人による密漁・乱獲が止まらない。行政や漁業関係者が頭を悩ませるなか、さらにその方向性が「進化」しているという。最新の手口と流通ルートを追った。 ◆沖縄のヤドカリ密漁の裏に中国人の存在? 沖縄県で、国指定天然記念物のオカヤドカリが相次いで大量に密漁されている。 ’23年6月には682匹を捕獲した中国籍の夫婦が逮捕。その後、台湾人とインドネシア人が同容疑で逮捕されたが、いずれも中国人から依頼されたと話したと報じられた。 これまで密漁された数は1000匹以上で、主に転売目的とされている。近年、中国でペットとしての需要が高まっていることも関連しているようだ。県警や行政が対策を講じているが、有効な手立てはない。 ◆地元ヤクザも激怒!? また、密漁は裏社会のショバ荒らしにも等しく、別の意味でのトラブルの種になりうる。沖縄の暴力団関係者Aは、警戒が手薄になっていた理由をこのように話す。 「沖縄の人間は郷土愛が強く、自然豊かな島を誇りに思っている。なのでヤクザといえど天然記念物を密売する発想はまずない。というより、ヤドカリが天然記念物と認識している人が少ないと思う。イリオモテヤマネコやヤンバルクイナなど他の種があまりに有名だからということと、離島などではヤドカリを沖縄そばに入れたりもするから。ただ、ここまでニュースになったからには黙っていられないので、半グレなどを使い取り締まることになると思う」 ちなみに、沖縄の暴力団「旭琉會」の一部は台湾系のマフィア「竹聯幇」と関係が深く、「竹聯幇でも中国人の密漁は批判されている」(A)という。 日台vs中国間で密漁を巡る抗争が起きてしまうのか。推移を見守りたい。 取材・文・撮影/週刊SPA!編集部 ―[[中国人密漁3.0]の実態]―

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