鹿児島県警の一連の不祥事を受け、警察庁は21日、鹿児島県警で24日から当面の間、特別監察を実施すると明らかにした。特別監察の実施は、記録が残る2011年以降で4例目。
警察庁の首席監察官らが現地に行き、改めて関係者から話を聴いて、県警がまとめる予定の再発防止策についても指導監督する。
また警察庁は21日、県警の野川明輝(あきてる)本部長を警察庁長官訓戒とした。枕崎署員が起こした盗撮事件の捜査状況について、きめ細かい確認や指示をしておらず、警察庁は「捜査の基本に欠くところがあった」などとした。当時の県警首席監察官で現在の鹿児島中央署長も口頭による厳重注意とした。
県警で記者会見した野川本部長は「処分は真摯(しんし)に受け止める」と述べ、今後は「警察庁の指示を受けながら、プロジェクトチームにおいて、より抜本的、網羅的な再発防止策を講じる」とした。
枕崎署員の盗撮事件の捜査を巡っては、枕崎署長が23年12月、署員に「客観的証拠がないから捜査は中止」と命じていた。指示に疑問を抱いた署員の指摘で3日後に誤りに気づき、捜査は再開された。県警の首席監察官からの指示がうまく伝わっていなかったという。【山崎征克】