旭川で女子中学生が自殺したのは「『いじめ』が主な原因だった可能性が高い」。 そう認定した再調査委員会が、真相の解明に用いたのは新たな手法でした。
沈痛な面持ちで説明するのは教育評論家の尾木直樹さんです。
尾木直樹委員長 「いじめのトラウマやフラッシュバックが影響してずっと尾を引いて、長期間にわたって彼女を苦しめていたんだということがつぶさに分かるんです」 「廣瀬さんのSNSを見ているだけでこちらも苦しくなってくる。読んでいると辛くて…」
尾木さんは、2021年、旭川でいじめを受けていた当時中学2年の廣瀬爽彩さんが死亡した問題を調査する再調査委員会の委員長を務めています。 尾木さんら再調査委員会は、廣瀬さんが受けた7つの行為をいじめと認定。 初めて「いじめが自殺の主たる原因だった可能性が高い」と結論付けました。
再調査委員会が今回判断材料として徹底的に調べたのが廣瀬さんが発信したSNSです。 4000件に及ぶ投稿履歴から「怖い」「つらい」「死ぬ」などの言葉を調査し、自殺に至った廣瀬さんの心理的な変化を読み解きました。
仲真紀子委員(心理学者) 「2021年2月の最後の失踪前の言葉は「ねぇ 決めた 死のうと思う」だった」 「いじめに関係なく亡くなったとは考えにくいのではないか」
いじめ問題に取り組むNPOの理事長で、旭川で現役の高校教諭として勤務する岩岡勝人さんは今回の調査結果をこう評価します。 NPO法人「学校の底力」岩岡勝人理事長 「爽彩さんの立場に立って、その視点で物事を判断していく」 「廣瀬さん本人の本音が出ているという部分でSNSを中心に検証したことは、新しい扉を開いたようなすばらしい結果だと思う」
廣瀬さんの遺体が見つかった公園には、献花台が設けられていました。
訪れた人 「廣瀬さんが娘と同じ年だったので許せないという気持ちがあって」 「(再調査委の調査結果が出て…)よかったと言っていいか分からないがやっとかなという感じ」
廣瀬さんの死から3年あまり。 廣瀬さんへの思いを問われた尾木さんは…。
尾木直樹委員長 「二度とこういったことが起きないような教訓をいっぱい導き出してこれから頑張っていきたいなということを約束したい気持ち」