兵庫県の斎藤元彦知事の「パワハラ疑惑」などを告発する文書を配布した元県西播磨県民局長の男性(60)が死亡したことを受け、県職員労働組合は9日、斎藤知事に辞職を求める方針を明らかにした。10日に副知事と面会し、知事宛ての申し入れ書を提出する。
県職労側は「内部告発をした県職員を守ることができなかった知事の責任を問わなければならないという結論に至った」と説明。公務員の労組が首長に辞職を要求する異例の展開となり、知事を取り巻く状況は一層厳しさを増しそうだ。
男性は7日、同県姫路市の民家で死亡しているのが見つかった。自殺とみられる。19日に疑惑の真偽を調べる調査特別委員会に証人として出席する予定だった。
男性は関係者らに配布した文書で、知事のパワハラや企業からの贈答品受け取りなど7項目を列挙。県は内部調査の結果「核心的な部分が事実ではない」として誹謗中傷だと認定し、男性を停職3カ月の懲戒処分とした。
これに対し調査の中立性を疑う声が高まり、県議会が百条委を設置した。知事はこれまで疑惑を否定している。