詐欺の被害金など犯罪収益をマネーロンダリング(資金洗浄)していたグループが摘発された事件で、大阪府警は9日、公開手配して行方を追っていたリーダー格の男性2人を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)などの容疑で逮捕した。
2人は、いずれも住所・職業不詳の石川宗太郎(35)と山田浩輔(39)の両容疑者。2024年2月に国外に出国したとみられ、府警は逮捕状を取って3日に公開手配していた。9日にアラブ首長国連邦から航空便で関西国際空港に到着し、逮捕された。
逮捕容疑は、会社役員の藤井亮平被告(41)=同法違反の罪などで起訴=らと共謀して21年11月~22年5月、20代男性の名義で経営実体のない会社を設立し、法人口座を開設。23年5~6月、この口座に入金された投資詐欺の被害金210万円を含む計約559万円を会社の別口座に移し、犯罪収益だと分からなくしたなどとしている。府警は2人の認否を明らかにしていない。
グループはペーパーカンパニー約500社を使って約4000の法人口座を作り、専業で資金洗浄を請け負って報酬を得ていたとされる。府警は石川容疑者らが主導し、こうした大規模な組織を作っていたとみている。
府警はもう1人のリーダー格とみられる住所・職業不詳、池田隆雅容疑者(38)も組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)などの容疑で公開手配し、行方を捜している。【小坂春乃】