松山市中心部にある松山城近くで12日未明に起きた土砂崩れで、愛媛県は13日、現場から男女3人が見つかり、全員の死亡が確認されたと発表した。3人は連絡の取れなくなっていた親子で、流れ込んだ土砂で倒壊した住宅の住人と判明した。
3人は90代男性と80代女性の夫婦のほか、息子の40代男性。この日午後、警察や消防の捜索により相次いで見つかった。県は遺族の意向で氏名や詳しい年齢は公表しないとしている。他の行方不明者は出ていない。
土砂崩れは12日午前3時50分ごろ、松山市緑町1の住宅街で発生した。松山城が建つ城山(標高131メートル)の斜面が幅約50メートル、高さ約100メートルにわたって崩れた。死亡した3人の住宅が倒壊し、周辺のマンションや民家も被災したという。
市によると、山頂にある松山城の天守付近には緊急車両用の道路がある。道路脇の擁壁が2023年夏の大雨で傾いたため、復旧工事が始まっていた。この近くで土砂崩れが起きており、市は工事との関連を調べる。
市内では10日から雨が降り始め、12日朝までに213ミリを観測。7月平年の1カ月分に相当する雨を記録した。【山中宏之】