22日午前3時35分ごろ、愛知県蒲郡市の東海道新幹線上り線で、停止していた保守車両に別の保守車両がぶつかり、2台とも脱線した。事故を受け、JR東海は浜松―名古屋間の上下線で終日運転を見合わせた。計328本が運休になり、約25万人に影響した。23日の始発から運転を再開する予定。
JR東海によると、事故が起きたのは豊橋―三河安城間で、レール下に敷かれるバラスト(砕石)を散布する車両が、停止していた別の保守車両にぶつかった。散布車を運転していた男性ら2人が首の骨を折るなどのけがをしたが、命に別条はない。
散布車は豊橋に回送中、待機していた車両にぶつかった。下り坂を時速40キロで走行し、ブレーキ操作をしたが、何らかの原因で利かなかったといい、同社が詳しい原因を調べている。
事故現場では同日午後、多くの作業員が集まり、脱線した保守車両の下にもぐったり、架線を支える柱にはしごで登ったりしていた。散布車の先頭が大きく変形し、別の車両は窓ガラスが外れていた。
事故の影響で「のぞみ」は全て運休。「こだま」「ひかり」は各駅に停車し、運行本数を1時間に2本程度に減らした。JR東海幹部は22日夜に記者会見し、「始発より多くの列車の遅延を発生させ、皆さまにご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます」と謝罪した。
山陽新幹線は東海道新幹線との直通運転を、2本を除き中止。北陸新幹線は上下線計2本で臨時列車の運行を、全日空と日本航空は羽田―伊丹間で臨時便の運航をそれぞれ決めた。
[時事通信社]