《証拠入手》自民党・広瀬めぐみ参院議員(58)が秘書給与巡り〈やっぱり違法なことだから〉LINE【特捜部が秘書給与詐取の疑いで捜査】

自民党の広瀬めぐみ参院議員(58)が、国から公設秘書の給与を騙し取っていた疑いがあるとして、東京地検特捜部は7月30日、詐欺の疑いで広瀬氏の議員会館事務所や自宅に家宅捜索に入った。「 週刊文春 」は、給与詐取の疑いを窺わせる広瀬氏と秘書とのLINEなどを入手していた。
海外研修で記念写真、カナダ人と“赤ベンツ不倫”も
広瀬氏は上智大外国語学部卒業後、弁護士として活動。2022年7月の参院選で、岩手県選挙区から初当選を果たした。麻生派に所属している。
「2023年7月に自民党の海外研修でパリを訪れた際、観光旅行にも見える記念写真をSNSに投稿し、松川るい参院議員らと共に批判を浴びました。2024年2月には『週刊新潮』が、カナダ人プロサックス奏者との“赤ベンツ不倫”を報道。広瀬氏は事実関係を認め、謝罪しました」(政治部記者)
その広瀬氏が東京地検特捜部の捜査を受けた秘書給与詐取疑惑とは、どのようなものか。
「広瀬氏は、勤務実態がないとされる女性A子さんを公設第二秘書として届けていました。彼女は、届け出をされていた別の公設第一秘書Bさんの妻。広瀬氏側は、国から数百万円を給与として受け取っていた疑いがあります」(社会部記者)
〈第二秘書の給与明細と賞与明細、もらってくれるかな〉
「週刊文春」は、広瀬氏と一部の秘書とのLINEを入手していた。2022年12月前後のメッセージのやり取りで、以下のような記述がある。
広瀬〈第二秘書の給与明細と賞与明細、もらってくれるかな〉〈彼に第二秘書のボーナスもでてるんじゃないかということと、第一のボーナスもでてるんじゃないかと思うので。〉
秘書〈個人情報の兼ね合いもあるのでもらえるか分かりませんが、聞いてみます。〉
秘書〈給与明細は、本人の了諾がないと開示できないそうです。なお、12月については、第一秘書は給与、賞与ともに支給されています。第二秘書は、給与は満額、賞与は、満額の3割支給されているとのことでした〉
この後、広瀬氏と秘書が2分53秒間音声通話をしていたことが記され、LINEは次のように続く。
広瀬〈必ず録音してね〉
広瀬〈やっぱり違法なことだから、もうやらない、あるいは新しい人が入るかもしれない、でもよい。とな(ママ)かく奥さんにはやめてもらおう。まずは彼がくすねたことを明らかにしておかなくてはいけないから、そこはよろしく。〉
LINEに残された〈彼がくすねた〉の意味とは?
事情を知る関係者が証言する。
「広瀬事務所では、秘書は賞与を広瀬氏側に“上納”するような取り決めがあったとされます。ところが、Bさんが12月分の賞与を“上納”してこなかった。そこで、広瀬氏は第一秘書(Bさん)と第二秘書(A子さん)の給与と賞与が支給されているか、参院事務局に確認するよう別の秘書に指示を出した。
ただ、案の定、秘書の給与とはいえ、個人情報保護を理由に事務局側は開示しませんでした。その後、広瀬氏と秘書はLINE通話でやり取りし、広瀬氏は〈やっぱり違法なことだから〉とメッセージを送っている。少なからず違法性の認識があったのでしょう。それでも、広瀬氏は〈まずは彼がくすねたこと〉と表現しているように、『“上納”しないこと=秘書(Bさん)がくすねた』と受け止めていたことが、LINEからは感じ取れます。それほど、事務所内では“上納”が当たり前という雰囲気が漂っていました」
東京地検特捜部はこうしたLINEなども入手していると見られる。派閥パーティを巡る裏金事件で自民党に大きな逆風が吹く中、広瀬氏への捜査は今後、どのように展開するのか。注目される。
(「週刊文春」編集部/週刊文春Webオリジナル)

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