7月28日、静岡・菊川市の住宅で親子3人が殺害された事件で、警察は30日夜、殺人の容疑で全国に指名手配をしていた27歳の男の身柄を鳥取市内で確保しました。男どうやって犯行現場の静岡から遠く離れた鳥取県まで逃走したのでしょうか?その足取りが少しずつわかってきました。
(辻本 真生 記者)
「容疑者が身柄を確保されてから一夜が明けた午前11時前の事件現場で す。鑑識活動は引き続き行われています」
この事件は、7月28日、菊川市本所の住宅で、男性と妻、娘の親子3人が刃物で複数回、刺されるなどして殺害されたものです。
通報を聞き警察が駆け付けた当時まだ意識のあった妻が、「孫に襲われた」と話したことから、警察は、29日、別の場所に住む、住所、職業不詳で 27歳の男を殺人の疑いで全国に指名手配しました。
指名手配された容疑者の男は、亡くなった夫妻の孫にあたり、事件当時外出していた長女の息子でした。捜査関係者によりますと、3人は住宅の1階に倒れ、腹や胸などを刺されていて、強い殺意があったとみられています。容疑者の男を知る人は…。
(容疑者を知る人)
「自衛隊に行っていて続かなかったみたい。よく3階から綱で降りて危ないことをしていた」「落ち着いて何かをできる子ではなかった」
また、容疑者の男の小中学校の同級生は、男について、「口数が少なく、授業中も寝ていた印象で、仲が良い人が思いつかない」と話していました。
警察は連日約100人態勢で捜査にあたり、容疑者の男の行方を追っていました。そして、事件から2日後の30日、事態は急展開。鳥取県内で容疑者の男が身柄を確保されたのです。
警察は防犯カメラの追跡捜査をした結果、容疑者の男は事件後列車などで移動し鳥取県内にいることが判明し、30日 午後7時ごろ、鳥取市内の宿泊施設で容疑者の男の身柄を確保しました。
容疑者の男の身柄が確保されたのは、事件現場から直線距離で約360キロメートル離れた鳥取県東部の鳥取市内。容疑者の男は犯行後、どうやって静岡から遠く離れた鳥取県まで逃走したのでしょうか?その足取りが少しずつわかってきました。
事件が起きたのは28日午後2時ごろ。容疑者の男は3人を殺害した後、歩いて逃走。その直後の詳しい足取りは分かっていませんが、約1.2キロメートル先に最寄り駅の菊川駅。約7キロメートル先に掛川駅があります。
(辻本 真生 記者)
「JR掛川駅です。容疑者の男は現場からここまで来ました。そして新幹線を使って逃走したということです」
事件の翌日、容疑者の男は鳥取県などがある山陰方面へ向かっていることが判明。そして、容疑者の男は鳥取駅まで逃走したとみられています。事件から2日たった30日のことでした。
(佐野 巧 記者)
「鳥取駅前です。タクシー乗り場も広く多くのタクシーが見られます」「きのう午後4時半ごろでした。警察が鳥取県内の複数のタクシー会社に」犯人が乗る可能性がある”と連絡し警戒していたということです」
その後、容疑者の男は、鳥取駅からタクシーで逃走したとみられ、そして30日 午後7時ごろ、警察は鳥取砂丘近くの宿泊施設で身柄を確保しました。確保されたとき、容疑者の男の腹部には刺し傷があり、「自ら刺して傷つけた」と話しているいうことです。容疑者の男は鳥取市内の病院に入院していますが、会話はできる状態で命に別条はないということです。容疑者の男は「自分がやった」などと供述していて、警察は回復を待ち殺人容疑で逮捕する方針です。