原子力規制委員会は31日、日本原子力発電が再稼働を目指す敦賀原発2号機(福井県)について、原発の安全基準を定めた新規制基準に適合しないと結論づけた審査チームの判断を事実上了承した。平成24年の規制委発足後、初の不合格になる見通しで、8月2日に日本原電の村松衛社長と意見を交わし、今秋に正式決定する。
敦賀2号機の審査では、原子炉建屋直下にある断層が活断層か否かを巡り、規制委の審査チームが今月26日、活断層の可能性を否定するのは困難とする結論を出した。東京電力福島第1原発事故後に定めた新規制基準は、活断層の真上に原子炉などの安全上重要な施設の設置を認めておらず、規制委が審査チームの結論を追認すれば、再稼働はできなくなる。
31日の会合では、審査チームが基準不適合と判断した経緯などを説明。委員からも異論はなく、事実上の了承となった。正式決定すれば、原発の運転を認めない全国初の「不許可」となる。
原発を動かすには新規制基準をクリアしなければならない。これまでに27基が申請し、17基が合格した。日本原電は審査継続を求め、追加調査を盛り込んだ補正書の再提出などを検討している。
規制委の山中伸介委員長は会合後の会見で「審査チームの決定を覆す根拠が短期間で出てくるとは考えにくいが、社長との面談を踏まえ、最終判断したい」と述べた。