平和記念式典の入場規制エリア、原爆ドーム周辺まで拡大 反発の声も

広島市中区の平和記念公園で6日に開かれる平和記念式典は、原爆ドーム周辺を含む園内全域で入場規制される。従来は原爆慰霊碑の周辺が対象だったが、市は警備対策の強化を目的に規制の範囲を拡大。式典会場では早朝から入場口の手荷物検査を実施するなど厳戒態勢になる。
式典を巡っては2023年、原爆ドーム近くで過激派「中核派」の活動家5人が市職員に体当たりしたとして逮捕・起訴される事件が起きた。市は「安全対策」と説明するが、ドーム周辺では例年デモ活動も実施されるため、市民団体などから反発の声が上がる。
市などによると、平和記念公園への入場は午前5~9時の4時間規制する。式典会場に進める計6カ所の入場口では手荷物検査を実施するほか、一部には金属探知機も設置する。規制中は拡声器やプラカード、横断幕などの持ち込みも禁止するという。公園周辺では車を通行止めにする交通規制も予定されている。
毎年ドーム周辺で反戦集会などを開いていた市民団体「8・6ヒロシマ平和へのつどい実行委員会」の久野成章事務局長(64)は、「(規制強化は)表現の自由の圧殺。原爆ドーム前での表現の自由を奪わないでほしい」と訴える。【中村清雅】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする