広島県内の被爆者団体の代表らは6日、平和記念式典後に岸田文雄首相と広島市中区のホテルで面会した。2025年に米ニューヨークで開かれる核兵器禁止条約の第3回締約国会議へのオブザーバー参加や条約への署名・批准を求めたが、岸田首相は「核兵器のない世界に向けて前進していきたい」と述べるにとどめた。
面会終了後、県原爆被害者団体協議会の箕牧智之理事長は「首相は米国の顔色をうかがい、条約から逃げている」と怒りをにじませた。
団体側は、被爆者や被爆2世への支援拡充なども求めた。県労働組合会議被爆者団体連絡協議会の中谷悦子事務局長は「被爆2世を被爆者と認めないのは、被爆者を増やしたくないというのが本音だろう。2世や3世も大事にしてほしい」と訴えた。
県朝鮮人被爆者協議会の金鎮湖(キムジノ)会長は「日朝国交正常化への要望を伝えたが、首相は『私の考えは向こうに伝わっているはず』という回答だけだった」と落胆していた。【安徳祐、関東晋慈、広瀬晃子、川原聖史】