トクリュウ、偽造免許証400枚・空き物件600軒悪用…メンバー12人で9500万の転売益得る

偽造運転免許証で契約したクレジットカードを空き物件に郵送させ、カードで購入したスマートフォンを売却したとして、「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の男6人が詐欺罪などで起訴されている事件で、福岡県警は6日、偽造免許証は約400枚、使った空き物件は2府7県の約600軒に上り、約9500万円の転売益を得ていたと明らかにした。有罪判決を受けた2人を含む別の6人も摘発しており、グループは計12人と発表した。
県警によると、12人は福岡、山口、愛知各県と大阪市の男(21~35歳)。昨年4月~今年3月、福岡や大阪、名古屋各市などで架空の人物名義のクレジットカードを使って購入したスマホなどを、買い取り店で偽造免許証を示して売却。また、アパートなどの空き物件で配達員に偽造免許証を見せ、スマホや銀行キャッシュカードなどをだまし取った疑い。県警は認否を明らかにしていない。
グループは、空き物件での荷物受け取りなどを担う「外回り」と、外回りの募集・指示役で免許証偽造などを担当する「内勤」で分業。外回りは愛知県津島市の無職の男(28)ら9人、内勤は大阪市中央区の職業不詳の男(31)(詐欺罪などで起訴)ら3人とみられる。
偽名と空き物件の住所、外回りの顔写真で偽造した免許証や健康保険証を使い、本人確認などが簡素化されたオンライン手続きで各種契約をしていた。作成したクレジットカードは約500件、その引き落とし口座などのキャッシュカードは約340件に達した。
クレジットカードではスマホやガソリン、生活用品を買ったり、偽造免許証の製造拠点となった物件を契約したりしていた。グループは福岡市から大阪、名古屋両市へと拠点を変え、さらに横浜市に移ろうとしていたという。
昨春から1年間のクレジットカード利用額は少なくとも計約7300万円に上り、キャッシュカードの一部は他の還付金詐欺で振込先に使われたことが確認されており、別の犯罪組織に譲渡したとみられる。
免許証偽造に住所を使った空き物件の情報は、不動産情報サイトで検索して入手。カードや購入品はこの住所に送らせ、外回りが郵便受けから不在連絡票を抜き取って再配達を依頼し、届けに来た配達員に接触して受け取っていた。オートロック式でなく、管理人もいない集合住宅などを選んでいたという。

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