政府は、長崎市が9日の平和祈念式典にイスラエルを招待しなかった対応を巡り、市に対し、米国の反発が予想されるとの懸念を事前に伝達していた。ただ政府が、市と米側の双方に事態打開を働きかけた形跡はなく、最後まで溝は埋まらなかった。
岸田文雄首相は9日、長崎市での記者会見で「市の主催行事で、外交団の出席を含め政府としてコメントする立場にない」と述べるにとどめた。
複数の関係者によると、政府から市に対し、イスラエルを招待しない場合、国際社会でイスラエル寄りの立場を取る米国が強い不満を示す可能性があるとの見通しを伝えた。それでも市は、イスラエルを招かない判断を変えなかったという。