台風5号が東北横断 北日本、14日まで土砂災害など警戒を 気象庁

台風5号は12日午前8時半ごろ岩手県大船渡市付近に上陸し、東北地方を横断して日本海に抜けた。13日には熱帯低気圧に変わる見込み。気象庁は、14日にかけて北日本を中心に熱帯低気圧の影響が残る可能性があるとし、今後も土砂災害や河川の増水などに警戒するよう呼びかけている。
台風5号は12日午後9時現在、秋田県能代市の北西約30キロにあり、時速20キロで北西に進んでいる。中心付近の気圧は998ヘクトパスカル、最大瞬間風速は25メートル。
北日本は周辺の暖かく湿った空気も流れ込み、大気の状態が非常に不安定になっており、13日午後6時までの24時間の降水量は多いところで、北海道が150ミリ、東北地方が120ミリと予想される。
東北太平洋側への台風上陸は2016年(10号)、21年(8号)に次いで、台風5号が観測史上3例目。岩手県では降り始めからの総雨量が平年の8月1カ月分の2倍を超え、12日午後4時までの48時間に、久慈市下戸鎖480ミリ▽同市山形283ミリ▽大槌町312・5ミリ――を記録した。
岩手県などによると、久慈市の長内(おさない)川にある滝ダムで12日午前、緊急放流を実施。これに伴い氾濫の恐れがあるとして、流域の一部に警戒が最も高い「緊急安全確保」を発令した。また、同県内では最大時1094世帯2082人が避難した。
交通機関への影響は、日本航空と全日空が12日に東北地方を発着する便を中心に相次いで欠航。全日空は13日も青森と秋田を出発する便の一部を欠航する。JR東日本によると、秋田新幹線は12日午後に盛岡―秋田間の上下線5本が運休したが、13日は始発から平常通り運行する予定。
一方で、気象庁によると、台風6号が日本の東海上を北西へ進んでいるが、熱帯低気圧に変わるとみられる。これとは別に日本の南海上にある熱帯低気圧が今後、台風に発達する見込みで東日本に接近する恐れがある。【菅野蘭、斎藤文太郎】

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