気象庁は12日、南海トラフ巨大地震の注意情報に関する新たな解説情報を発表した。「南海トラフ地震の想定震源域では、プレート境界の固着状況に特段の変化を示すような地震活動や地殻変動は観測されていない」としつつ、引き続き政府や自治体からなどの呼びかけに応じた防災対応を取るよう促している。
同庁の集計によると、8日夕にマグニチュード(M)7.1の大地震が起きた日向灘の震源付近ではその後、震度3~1の地震が23回(12日正午現在)発生した。巨大地震に結び付く可能性のある地殻変動については、「地震後に通常みられる変化以外は今のところ観測されていない。紀伊半島と伊勢湾の深部低周波地震活動に伴う変化が付近のひずみ計などで観測されているが、これまでにも繰り返しみられた現象」と説明している。
注意情報は8日に発表された。日向灘の地震を受けて臨時開催された有識者らの評価検討会で「南海トラフ地震の想定震源域で、大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっている」と判断した。
同庁などは同地震から1週間は備えを再確認し、揺れを感じたら直ちに避難できる態勢を取るよう、繰り返し呼びかけている。