9月の自民党総裁選を巡り、林芳正官房長官(63)が出馬の意向を所属する岸田派議員に伝えた。関係者が16日、明らかにした。加藤勝信元官房長官(68)と上川陽子外相(71)も立候補を検討。小林鷹之前経済安全保障担当相(49)は20人の推薦人確保にめどを付け、19日にも表明する方向で調整している。
林氏については岸田派で擁立論が出ていた。同派議員によると、「週末のうちに考えて近く発表したい」と語ったという。
加藤氏は16日のBS11番組で、出馬に関して「具体的な動きをしていきたい」と述べた。自身の政策に「共鳴してもらえる方」を中心に推薦人を幅広く募ると説明。所属してきた茂木派会長の茂木敏充幹事長(68)も意欲を示すが、加藤氏は「(茂木派は)解散を決めている」として問題ないとの考えを強調した。
上川氏は女性政策の議連メンバーらに応援を要請している。15日には「何をすべきか熟慮した上で決断し、行動に移す覚悟だ」と述べていた。ただ、林氏と同じ岸田派所属のため、推薦人確保は難航する可能性がある。
一方、小林氏の周辺からは他の候補に先んじて19日に表明する案が出ている。総裁選日程が20日に決定されることを踏まえ、表明時期を引き続き検討する。
安倍派は派閥裏金事件を受けて次期衆院選への危機感が強く、既に10人前後が「刷新」を求めて支援する構えだ。麻生、二階両派と解散した森山派、菅義偉前首相に近いグループそれぞれに少なくとも1人は支持議員がいる。
小林氏に近い議員は「『応援する』と言ってくれる人を含めると20人は優に超える」と明かした。他陣営の切り崩しを警戒して、推薦人名簿はまだ作成していないという。
総裁選では、石破茂元幹事長(67)が推薦人確保の見通しが立ちつつあると明かし、高市早苗経済安保担当相(63)も電話などで呼び掛けを始めた。河野太郎デジタル相(61)が出馬を目指し、小泉進次郎元環境相(43)への待望論もある。斎藤健経済産業相(65)は意欲をにじませている。
[時事通信社]