「餃子の王将」を展開する王将フードサービス(京都市山科区)の社長だった大東隆行さん=当時(72)=が2013年に射殺された事件で、殺人などの罪で起訴された特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)系組幹部の田中幸雄被告(57)の裁判について、検察側が、裁判員が危害を加えられる恐れがあるとして、裁判員裁判の対象事件から除外するよう京都地裁に請求していることが22日、関係者への取材で分かった。
田中被告は22年11月、京都地検に起訴された。京都地裁で争点や証拠を事前に絞り込む非公開の公判前整理手続きが行われている。弁護側は犯人性を争い、無罪を主張する方針を明らかにしている。工藤会関係者の公判を巡っては、裁判員への威迫行為があったことなどを踏まえ、福岡地裁で裁判員裁判の対象から除外された例がある。
府警は22年10月に田中被告を逮捕。被告を実行役とした組織的犯行とみており、指示役の存在など背景の捜査を継続している。
起訴状などによると、田中被告は氏名不詳者らと共謀して大東さんを殺害しようと計画し、13年12月19日午前5時45分ごろ、京都市山科区の王将フードサービス本社前で、拳銃を発射して殺害したとしている。