川崎重工業による船舶用エンジンの燃費性能データ改ざん問題で、国土交通省は22日午前、川重の神戸工場(神戸市中央区)に対し、海洋汚染防止法に基づく立ち入り調査に入った。担当者からの聞き取りや関係書類の確認などを行い、不正の事実関係を詳しく調べる。
国交省などによると、川重は2000年以降に建造された船舶向けに製造したエンジン674台のうち、673台で燃料消費率のデータを改ざんしていた。
工場での試運転の際、顧客と取り決めた燃料消費率の数値が出たことを装うため、検査装置を意図的に操作していた。データの改ざんにより、大気汚染の原因となる窒素酸化物(NOx)の放出量などが基準に適合していない恐れがあり、川重も確認を続ける。
今年4月以降、IHIと日立造船のグループ会社で同様の問題が相次いで判明したことを受け、国交省は7月5日、川重を含む船舶用エンジンのメーカー19社に対し、不正の有無や詳細を社内調査し、9月末までに報告するよう指示していた。19社のうち、不正を報告・公表したのは川重が初めて。