思惑だらけの自民党総裁選 新生自民誕生に“不可欠”と囁かれる「本気の4つの公約」

雨後の竹の子のような展開になってきた。自民党総裁である岸田文雄首相(67)の後継を選ぶために行われる総裁選(9月12日告示、27日投開票)を巡る立候補者のことだ。
19日に立候補表明した小林鷹之前経済安全保障担当相(49)に続き、石破茂元幹事長(67)が24日、河野太郎デジタル大臣(61)が来週26日に出馬会見を開くとみられ、続いて林芳正官房長官(63)は27日に立候補する方向で調整に入ったと報じられている。
このほか、小泉進次郎元環境相(43)が立候補する意向を固めたと報じられ、高市早苗経済安全保障担当相(63)も来週中には表明するとの見方が支配的だ。
メディアの政治部記者からは「立候補会見は全員で一度にやってほしい」といった愚痴も漏れているが、これも自民党の戦略なのだろう。
新たに名乗りを上げた候補者の出馬会見が連日のように行われ、その度に経歴や主張がTVメディアなどで取り上げられれば、それだけで党の宣伝になるからだ。
■「刷新」とは「弊害を除き去って、全く新しいものにすること」
まさに百家争鳴の様相を呈してきたと言っていいのだが、何よりも大事なのは、国民生活のための政策や政治信条があるか、ないかだ。
小林氏のように「自民党は生まれ変わる」「脱派閥選挙を徹底する」と声高に叫びながら、裏金事件の真相解明には後ろ向き、旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)系のイベントを巡る自身の発言についても「記憶にない」と発言するようでは、とてもじゃないが刷新は期待できない。岸田首相が掲げる「新生自民党」など夢のまた夢だ。
おそらく他の候補も似たり寄ったりの主張をするのだろう。すでにSNS上では《誰がトップになっても裏金腐敗組織は変わらない》と冷めた見方が少なくないが、そんな中で、「これをぶち上げれば、新生自民誕生は間違いなし」と囁かれる“公約”が次の4つだ。
①裏金議員は全員辞職を求め、応じない場合は除名して選挙区に刺客を送る
②旧統一教会との関係が確認された場合は議員辞職を求め、応じない場合は除名して選挙区に刺客を送る
③企業団体献金、政治資金パーティーの全面禁止。確認された場合は除名して選挙区に刺客を送る
④形骸化している内規の73歳定年制の年齢をさらに引き下げて厳格化する
国語辞典では、「刷新」とは「弊害を除き去って、全く新しいものにすること」とある。まさに旧統一教会問題や裏金事件は「弊害」であり、利権の温床とされる「汚いカネ」との接点を断つことが「全く新しいもの」になるということだ。
果たして「本気の公約」を打ち出す候補はいるか。
◇ ◇ ◇
●関連記事『【もっと読む】大慌てで自民総裁選出馬へ…“後出しジャンケン”やめた小泉進次郎の思惑と「アキレス腱」』では、自民党総裁選への出馬をめぐる同氏の動向について詳報している。

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