自民党総裁選(9月12日告示、27日投開票)を巡り、麻生派(54人)は27日、派閥研修会を横浜市で開き、立候補を表明した同派所属の河野太郎デジタル相(61)への支持を促しつつ、他候補の支援も容認する方針を確認した。派閥として唯一存続を決めている同派の一本化見送りで、総裁選の行方はさらに流動化しそうだ。
同派会長の麻生太郎副総裁は研修会で講演し、「同じ釜の飯を食って育った河野氏を同志として応援したい」と表明。一方で「『一致結束(箱)弁当』みたいに縛り上げるつもりはない」と話し、事実上の「自主投票」で臨む考えを示した。
麻生派内では小林鷹之前経済安全保障担当相(49)や小泉進次郎元環境相(43)、上川陽子外相(71)を支持する動きがある。麻生氏は河野氏以外を応援する場合は「信念を大事にしてもらいたい」と語った。
今回で3回目の出馬となる河野氏は世論調査での勢いに陰りも見られ、所属派閥の支持を固め切れなかったことは痛手となる。今後は態度を保留する派内外の議員へ働き掛けを強める考えだ。
麻生派は2021年の前回総裁選でも河野氏と岸田文雄首相を基本的に支持する一方、他候補の支援も容認し、派としての取りまとめを見送った。乱立模様の今回の総裁選は決選投票にもつれ込む公算が大きく、麻生氏としてはその際に派としての支持候補一本化を模索するとみられる。
研修会には派所属議員約50人が出席。麻生氏は講演で「(総裁選が)終わった後はまた一つになってやれれば、という気持ちを強く持っている」と呼び掛けた。
[時事通信社]