NHKのラジオ国際放送などの中国語ニュースで、中国籍の外部スタッフ男性が、沖縄県・尖閣諸島について「中国の領土」などと発言した問題を巡り、中国のニュースサイト「中国新聞網」は、この男性が中国に帰国したと伝えた。
中国新聞網によると、男性のものとされる短文投稿サイト「微博(ウェイボー)」のアカウントには、26日昼ごろ「ゼロになって(祖国に)帰ってきた。安全なので心配しないで」などの投稿があった。
さらに「全ての真実と真相も含めた一切を22秒間に凝縮した」「立ち向かうことを選択したからには、平然と(結果に)向き合う」と書き込んでいた。問題の発言に関する心境をつづったものとみられる。
中国のSNS(ネット交流サービス)では近年、反日的な行動を称賛する風潮が強まっている。男性の投稿に対しても「英雄であり戦士だ」「新華社通信か中国中央テレビが彼に仕事を用意すべきだ」といった肯定的なコメントが相次いでいる。
NHK広報局は28日、取材に「(男性の帰国を伝える)報道は見ているが、現時点で事実関係を確認できていない。男性側から何の連絡も受けておらず、直接の連絡は取れていない」と答えた。
また、NHKは同日、この問題の経緯などについて追加発表し、男性について「ニュースの取材制作の専用端末にアクセスする権限はなく、NHKの取材情報など非公開情報が流出したことはないと考えている」などと説明した。【岡崎英遠(北京)、諸隈美紗稀】