スギ薬局で調剤された薬を服用した女性=当時(74)=が死亡したのは調剤ミスが原因だとして、遺族2人が28日、法人としてのスギ薬局(愛知県大府市)と薬剤師3人に計約3800万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。
訴状によると、女性は2021年10月18日、持病の薬の処方箋を基に東京都杉並区にあるスギ薬局店舗に調剤を依頼。受け取った薬を服用していたが、翌月15日に意識を失って入院した。
残った薬を病院が調べたところ、女性の持病ではない糖尿病の薬が2種類混入していたことが判明。病院から指摘を受けたスギ薬局は女性側に別の薬が混入していたことを伝え、後日、薬を包装する機械の点検を薬剤師が怠ったことなどが原因だと説明した。
女性は薬の混入による低血糖脳症と診断され、意識が戻らないまま22年5月に亡くなった。
記者会見した40代長男は、スギ薬局側が謝罪を避けるような不誠実な対応を取っていると批判。「ミスで人命が失われたことに、しっかり向き合ってほしい」と話した。
スギ薬局の親会社スギホールディングスの話 患者さまの冥福をお祈りし、ご家族に深くおわびする。店舗管理を徹底し、再発防止に取り組む。
[時事通信社]